中国製日用品だけでなく、中国のハイエンド交通設備もW杯開催地にはせ参じている。
開催地の一つであるパラナ州の州都クリチバでは、空港から市街地への道々でクリーム色のハイブリッド新エネルギー路線バスが走る姿を目にする。これは中国の南車株洲電力機車研究所有限公司(中国南車株洲所)の子会社・湖南南車時代電動汽車株式有限公司が開発・製造したものだ。
同方威視が製造した安全検査設備を設置する中国の技術者。 |
▽W杯会場でも大型設備が活躍
W杯開催期間中、サッカーファン達はさまざまな意匠の12カ所の競技場で試合を観戦することになる。だがブラジルムードに溢れた競技場の建物の改築・増築・新築工事で、中国の三一重工集団の重機械が活躍していたことを知る人はいない。多くの競技場の入口に設置された、安全を守るためのX線装置が中国の同方威視技術株式有限公司の製造したものだと気付く人もおそらくいない。
少なくともサンパウロ、リオデジャネイロ、ブラジリアなど8カ所の競技場の建設過程で、三一マークの入った建設機械が使用された。三一重工ブラジル法人の烏効衛副総経理(副社長)によると、中国企業がブラジル市場に進出する前は、ブラジルの建設機械市場は米国のキャタピラー、ドイツのリープヘル、日本の小松製作所(コマツ)といったブランドが独占していたという。