黒田総裁の発言からは、日銀が現在の経済情勢を楽観視していることが読み取れる。消費増税の日本経済への影響は限られており、消費低迷・生産縮小は予想通りだ。日本経済を苦しめてきたデフレも密かに姿を消しており、物価が着実に上昇している。物価上昇率は数ヶ月連続で1%を超え、来年は日銀の2%の目標に達する勢いを見せている。米国の量的緩和策の終了、欧州のマイナス金利政策の日本への影響は一部に留まり、日本の量的・質的金融緩和も奏功中だ。上述した理由から、日銀はひとまず既定方針を変更する必要はないと判断している。
エコノミストは、日銀はさらなる量的緩和策を準備済みだが、その絶好の時期を見計らっていると判断している。安倍内閣は消費増税による景気低迷の影から抜け出し、さらに次の消費増税に踏み切るため、新たな金融対策を時期を見計らい実施するよう日銀に求めている。日銀が金融政策で、安倍内閣に異を唱える可能性はない。しかし現在の日本の経済状況は複雑で、良い情報と悪い情報が次々と伝えられている。日銀は消費増税後の日本経済が、どのような流れを見せるか判断できていない。日銀は景気低迷が深刻であると判断した場合(特に物価上昇率が1%を割り込んだ場合)、準備済みの量的緩和策を発表し、市場を刺激することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月25日