今年に入ってから、中国不動産市場の低下傾向が徐々に明らかになり、外部には中国不動産市場が崩壊するといった論調がしきりに現れ、不動産の低迷が経済の足を引っ張るのではないかという声もますます頻繁に聞こえるようになった。専門家によれば、不動産市場が調整期に入ることは、過去10年に及ぶ高度成長期を経た後の理性的な回帰現象であり、中国の経済構造をより質の高い成長へと調整する上でプラスになる。不動産市場の調整は長期的なプロセスであり、価格が崖から落ちるように一気に暴落することはあり得ない。よって中国経済に目立った影響は与えないという。「人民日報」海外版が伝えた。
▽経済全体への影響は大きくない。
現在の中国不動産市場は楽観を許さないもので、外部で幅広く懸念を呼び起こしているが、だからといって不動産市場の中国経済に対する影響を誇大視する見方はやはりおかしなものと言わざるを得ない。
中国不動産学会の陳国強副会長は、「不動産市場の低迷や不動産価格の低下が国内総生産(GDP)に影響を与えることは確実だが、影響はそれほど大きくない」との見通しを示す。中央政府は不動産市場の低迷が経済発展にもたらす影響を必ず検討しているはずで、だからこそバラック密集地の再開発、社会保障対策としての保障住宅の投資発展の強化といった措置を通じて、不動産市場の低迷がもたらす可能性のある影響に対するリスクヘッジを強調している。たとえば北京市は保障住宅の建設規模を拡大し、全国的にも同じような動きがみられる。だがバラック密集地の再開発や保障住宅が占める割合はそれほど高くないため、リスクヘッジの効果が出る可能性が十分にあるとはいえない。