中国経済の上半期のマクロ調整では、精度の高い選択的な調整(「定向調整」)が際立った。特定の分野にターゲットがしぼられ、それぞれに適切な対処がなされ、根本からの問題解決に注意が払われている。
W杯ブラジル大会が盛り上がりを見せている。中国経済にとっても今年上半期は、緊張に満ちた「前半戦」だった。経済の下降圧力が高まり、実体経済の困難が増した。だが中国経済は依然として優れた実績を上げ、安定化と上昇の積極的な兆しは一層明らかとなった。5月の対外貿易の増加率はプラスに転じ、6月のPMI(製造業購買担当者景気指数)は連続4カ月上昇の51ポイントに達した。
新たな常態に突入したとも言われる中国経済の成長率低下の主因は、従来のような需要の不足ではなく、潜在成長率の下降である。矛盾や問題の中心は、全体的な問題ではなく、構造的な問題である。このような状況においては、大量の水を全体に注ぎ込むような調整の仕方では、精度が足りず、その効果も当然薄れる。