しかし実際にはそう甘くはない。自動車購入税の撤廃、充電スポットの建設の加速、ナンバープレート取得の優遇策、補助金支給の拡大による影響を受け、合弁ブランドもこの大きな市場を見逃すはずがない。ホンダ、トヨタ、フォルクスワーゲン(VW)などの新エネ車市場で目立たぬグローバル大手も、すでに着々と準備を整えており、積極的に攻勢をかけようとしている。
中国のハイブリッド(HV)市場で低迷するホンダは、すでに積極的な姿勢を示している。ホンダの池史彦常務取締役は昨年10月、「当社はHVの現地開発・生産および部品調達を計画しており、中国人消費者に求めやすい、リーズナブルなHVを提供する。当社は今後3年内に、中国の広汽ホンダや東風ホンダの工場でHVを生産する。両者の年産は100万台を超えることになる」と表明した。
ホンダの中国新エネ車市場での業績は、目を覆いたくなるほど悲惨なものとなっている。中国ブランドのラインナップにはHVが不足しているが、インサイトやフィットHV版などの輸入車販売台数は、数カ月連続で0台となっている。トヨタやレクサスの新エネ車の奮闘と比べ、池氏は自社の反応の遅れに苦しめられている。