政策支援の刺激を受け、トヨタも苦心して切り開いた土地を、ライバルのホンダに奪われることを良しとはしていない。トヨタには免税政策に合致するEV、PHV、EREVがないが、燃料電池車の取り組み、新型HV(計2車種)の2015年の国産化は、中国という市場でライバルのホンダと新たな戦いを展開しようとしていることを反映している。
トヨタとホンダは当然ながら、中国で最大の競争相手であるVWに対応しなければならない。VWはトヨタやホンダの戦略とは異なり、HVとPHVに照準を合わせている。VW中国部門の責任者であるハイツマン氏はこのほど、「当社は新エネ車戦略に取り組み、今年よりEVのe-up!、ゴルフEV版、アウディのEVのe-Tronを中国で輸入販売する」と発表した。ポルシェのパナメーラPHV版もすでに発売されており、アウディ・A6のPHV版も2016年に国産化される。他にもVWは中高級セダンのPHV版を発売する予定だ。ハイツマン氏は、「当社は今後5年間で、20車種を超える新エネ車を発売する可能性がある」と述べた。
欧州のVWも、「HVの故郷」のトヨタやホンダも、中国市場を未来の新エネ車戦略の重要な陣地としてとらえている。中国ブランドは現在、新エネ車のロー・ミドルエンド市場で覇を唱えているが、この状況は数年内に打破される可能性がある。また車種数やブランド力を見ると、海外ブランドは大多数の中国ブランドを上回っている。政策の刺激を受け、国内新エネ車市場が刺激され、海外の挑戦者が活発な動きを見せている。中国ブランドがこの競争によって獲得した陣地を守りきれるか否かは、政策の自国ブランドへの重視ではなく、経営者の実力と意志にかかっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月15日