▽空き家問題は大都市に波及
日本の空き家問題は僻地の農村や中小都市だけの現象とは限らず、大都市や首都圏にまで波及している。東京周辺では、1970年代に家を買った人たちが高齢化し、施設に入った人もいれば、なくなった人もいて、多くの家が空き家になった。
住宅が密集する神奈川県横浜市西区のあるコミュニティの自治会長は、「このコミュニティは10年前から空き家が続出するようになった。ここは坂道が多く、道路が狭く、大きな車が通れない道もあり、建て替えようにも、売却も賃貸も難しいため、多くの所有者が建て替えを諦め、家は放って置かれるようになった」と話す。
東京都大田区でも空き家問題が起きている。今年5月、区内の木造戸建て住宅数戸に倒壊の危険があり、通行人に危害が及ぶ可能性があることがわかった。所有者がわからず、手を打つことができないため、区役所は気をもむばかりだ。