中国は現在、GDP成長率を追及するモデルから、『効率と質』に重点を置いたモデルに転換中である。経済構造調整・経済発展方式の転換・産業のレベルアップを背景に新たな段階に突入。従来モデルの転換は多くの苦痛を伴うことになるが、それを乗り越えてこそ経済のモデルチェンジを成し遂げられることになる。
新たな経済成長とは、従来の不動産依存型モデルからの脱却であり、現在それが進行している。不動産(住宅)価格が低下し、投資スピードも減速。住宅消費に理性的判断が働き、不動産業の利益も社会の平均レベルに戻った。上半期の上場不動産会社の粗利益率は前年同期比2ポイント低下している。
不動産業の低迷は、その川上川下産業である、鉄鋼、セメント、家電などにも大きな影響を与える。鉄鋼・セメント業界は、需要減少からくる供給過剰状態。家電業界も一部の大手企業を除いて、ほとんどが大きなダメージを受けている。
今多くの都市で住宅取得制限の緩和が見られ始めたが、全体としてみれば、まだ住宅政策を全面的に緩和する時期には至っていない。