要因はいくつか挙げられる。例えば、軍隊に対する憲法の拘束力を弱めること、2011年福島原発事故後に稼働停止した原子力工場を再稼働させること。安倍晋三は、国民には決して喜ばないが彼自身には日本にとって重要だと思われる事業に政治資本を投じたのである。
しかし、もっと大きな要因は安倍政権の経済政策への不満ではないかと思われる。何しろこれらの政策はかつて彼の持つ最大の政治資産だった。今年第2四半期の日本国内総生産(GDP)が年率換算で6.8%縮小したという驚異的数字が今月の政府データで確認された前から、安倍の景気刺激計画に対する人々の不信感が深まりつつあった。
今年7月、安倍を支持する日本『産経新聞』は「アベノミックス」に陰りが出ていると報道した。それまで当該新聞のアンケートによると、アベノミックスを支持しない人数が支持する人数を上回っている。いくつかの民意調査では、安倍への全体支持率は50%を切っており、前年度のほぼ全年において70%超という支持率には遥かに及ばなかったという。