▽燃料電池車が今後の期待に
電動自動車の技術は現在、ディーゼル・ガソリン自動車と比べるとまだ遅れが目立つ。第一に、充電が便利でなく、待ち時間が長い。第二に、連続走行能力に限りがあるため市内交通向けで、長距離走行には適していない。電動自動車の発展は予測を下回っている。
トヨタ本社の技術開発部の人員は10年前のある取材で意外なことを話していた。「電動自動車は、本当の意味での無汚染・無公害の自動車ではなく、過渡的な製品となる可能性がある。電動自動車は充電が必要だが、発電は汚染と温室ガスを伴う。電池の廃棄する際にも安全で信頼できる処理をしなければ、環境汚染の原因となる。私たちが期待しているのは、現在開発中の燃料電池車だ。これなら少量の水を排出するだけで、ほかの汚染物質をほとんど排出しない。最もクリーンな次世代車と言える」
トヨタは6月、十数年の研究と改善を経た燃料電池車をまず日本市場で12月に発売することを明らかにした。この燃料電池車は昨年11月の東京モーターショーでコンセプトカーとして発表されたもので、所要時間3分前後で水素を加えるだけで700km以上の走行が可能となる。まずは東京と名古屋、大阪、福岡の4大都市圏での販売が予定されている。