これらの構造的な難題により、的を絞った効果的な調整が必要になっている。経済低迷の圧力が拡大する中、差別化緩和策による刺激を拡大すべきだ。まず、経済の構造調整により効果的な、財政政策に積極的に取り組む。適度に赤字を増やし、地方の債券発行規模を拡大し、減免制度の実施を続ける。保障房(公営住宅)の建設、小企業・零細企業の発展、重点インフラの整備、中小・零細企業の革新的発展などの分野で、財政資金の指導力を十分に発揮する。
次に、差別化緩和策の対象となる業界と企業を拡大する。差別化預金準備率引き下げと利下げは、これまで主な対象だった三農(農業・農村・農家)、零細企業から、情報消費、住宅消費、特定新興産業の発展などに拡張できる。特に1軒目の住宅や買い替えなどの住宅需要に対する刺激は効果が出やすい。中央銀行の住宅ローン新制度は実施も予定の効果を得ていないが、住宅ローンを引き下げる銀行が増加している。当然ながら、多くの構造的な調整は、経済を効果的に下支えできない。雇用状況が悪化した場合、時期を見計らい利下げに踏み切るべきだ。
それから、資本市場の発展に力を尽くし、直接金融を強化する。現在の金融システムでは間接金融が中心となっているが、利下げの伝導メカニズムは仲介業者や銀行の業績審査といった障害に直面しており、かつ行政管理には巨額の資金が必要になる。ゆえに資本市場の発展に力を尽くし、直接金融ルートを切り開くことが、金融構造と実体のモデルチェンジを結びつける手段になる。
当然ながら、構造的な政策により経済の下支えをし、経済のモデルチェンジを促すためには、改革という大きな背景が必要だ。これには次の内容が含まれる。(1)金利市場化改革を加速し、市場メカニズムによって金融機関の「不当な」金利の調整を促す(2)地方融資の規範化を加速し、地方政府融資プラットフォームの資金の「ブラックホール」に警戒する(3)国有企業の改革を加速し、市場化運営メカニズムを確立し、金利のシグナルを発するメカニズムを改善する。
「中国証券報」より 2014年11月21日