中国人民銀行(中央銀行)の突然の利下げに、中国の株式市場がすかさず反応した。上海・深センの両市場が全面高となり取引高も膨らんだ。指標となる上海総合指数は前日の終値を1.85%上回り、2500ポイントを突破したほか、3年ぶりの高値も更新した。これは株式市場が強気相場にある証拠と見ていいだろう。
ここ2、3年、中央銀行の金融政策はわずかながら変化してきている。対象を特定した預金準備率の引き下げ、微調整、臨時の金融政策による資金供給などがその例だ。特定分野向けの預金準備率の引き下げが金融緩和政策の始まりだとすれば、今回の利下げは金融政策が緩和に転換したことを意味するものであり、株式市場(A株市場)に長期にわたり上昇するものと思われる。
上場企業の財務コストを引き下げ
今回の利下げは、企業の資金調達難、とりわけ中小企業の資金調達難を解決するものにはならないかもしれないが、上場企業の財務コストを引き下げることになる。財務体質が改善すれば、株価にも当然プラスに働く。すなわち、利下げは株価上昇の支援材料である。