利下げにはもうひとつの働きがある。市場全体の信頼感を高めることである。これは2009年以降、「弱気市場」に覆われていたA株市場にとって極めて重要である。これまでの市場の低迷の原因は、投資家の弱気心理にあったといってもよい。
今年7月以降、上海・深センの両市場は反発に転じているが、A株市場はすでにテクニカル上の強気相場に入っている。上海・香港間の相互株式投資のスタートも投資家心理を明るいものにさせている。
香港市場を上回る上海市場の「資産効果」
中央銀行の金利の引き下げによる株式市場への影響は、これまでのところ、プラスに働いたときもあればマイナスに作用したときもあった。しかし今回の利下げを過去のケースと同一に判断してはならない。その理由は4つ。