中国社会科学院財経戦略研究院はこのほど「中国マクロ経済運営報告(2014~2015)」を発表し、2015年の中国の経済成長率が7.0%となるとの予測を示した。経済の下ぶれ懸念が強まる中、積極的な財政政策を実施する必要があるという。同報告書によると、2014年の第4四半期のCPI上昇率は1.5%、年間では2.0%前後となる見通し。経済成長率は第4四半期が7.3%、年間では7.4%と予想した。
2015年については、経済成長率は7%前後、物価上昇率は1.9%が見込まれ、全体的に安定した合理的な範囲での経済運営が予想されている。 こうした経済見通しに関連して、報告書は、積極的な財政政策の必要性について次のように述べた。
(1)財政資金の活用効率を高めること。2014年は腐敗防止、財務紀律の厳正化などにより財政資金が大きく滞留し、一種の緊縮作用をもたらした。このため財政資金の活用が大きな課題となっている。長期的には、この問題を解決するには、権限を委譲し、小さな政府を目指し、財政収支規模を削減し、構造的減税を行うことを指摘した。
(2)財政赤字を適度に拡大させること。経済が減速すれば財政収入は減少する。しかし、財政には「反循環政策」という不況時には財政赤字を拡大させる責任がある。この結果、財政赤字と財政規模の拡大するのは仕方がない。2014年の財政赤字1兆3500億元となる見通しだが、仮に2015年の赤字をGDPの3%という上限を当てはめると2兆元になり、赤字の増加額を6500億元以内に抑える必要がある。また一方で、財政赤字の上限をGDPの2.9%とし、財政金融リスクを予防するという目標に立つ場合、特殊な要因が発生しない限り、赤字の規模は1兆6500億元に抑えることができる。これは2014年より3000億元の増加で、赤字比率は2.5%と14年より0.3ポイント上昇する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年12月9日