【12月8日英国フィナンシャルタイムズ】原題:湧き上がる中国人の企業家精神より 北京西部のあるオフィスビルの寒い地下室の中で、多くの技術者が自分たちで開発した最新のパソコンのディスプレーを凝視している。またそこからやや離れた別のビルの豪華な会議室では30人以上の社員や企業家たちが、新製品や新事業の開発をめぐって熱い議論を戦わせている。いずれも最近の中国で「創業ブーム」が巻き起こっている証左である。
「創業は時代の流れ」と語るのは、あるスマートフォン向けアプリ会社を創業した王翠氏。「創業ブームはますます盛んになり、今一流のベンチャーキャピタルが若い創業者を捜し求めている」という。 スタンフォード大学は今年10月から11月にかけて北京で初めて「新事業立ち上げ」という講座を開いた。王氏はその講座開設に参画したうちの1名であった。王氏の経歴は中国の他の創業者とほぼ同じような経歴の持ち主である。米国で博士課程を修了し、グーグルで2年間仕事の経験を積んだのち、上海のインターネット企業に勤めた。彼のふたりの事業パートナーも同様の経歴である。「多くの中国人が海外に留学するのにつれ、彼らの職業選びの基準が急速に変化している。若い人は従来の大企業を敬遠する傾向がある」と王氏はいう。