国内総生産(GDP)だけをみて評価を下すのは適切ではない。だがGDP成長率は国の経済状況を判断し、国の経済の現実を反映する代表的な指標として認められたものだ。来年の経済成長率目標を確定することは、経済発展の重点ポイントをつかまえることにほかならない。GDP目標値の設定は単なる数字のゲームではなく、単純にみえる数字の背景にさまざまな財政政策や金融政策が控えている。関連政策が積極的なものになるか、穏健なものになるか、緩和か引き締めかは、各産業・各業界の栄枯盛衰や浮沈と密接な関連をもつ。
今年第1~3四半期(1~9月)のGDP成長率は7.4%で、年初の目標値7.5%を下回った。経済成長ペースが第4四半期(10-12月)に目立って上昇しなければ、中国は今年、1999年以降で初めて経済成長率目標を達成できないことになる。また今年の年間経済成長率は24年ぶりの低い水準にとどまることになる。中国の経済成長ペースが減速する中、中央政府は引き続き下方圧力に耐えながら一層の緩和政策を採ることはせず、生産能力の圧縮、レバレッジ解消、バブルの抑制に力を入れ、高度成長期に蓄積されたさまざまな矛盾を徐々に解消しようとしている。
多くの研究機関が現在、中央経済政策会議の閉会後に来年の経済成長率目標は7%に設定されると予測する。11日に発表された会議の内容をみると、関連機関の予測はほぼ当たっている。会議では、15年も経済運営を合理的な範囲で維持し、モデルの転換と構造調整の位置づけをより重要なものにすることがうち出された。また中国の環境の受け入れ能力は限界に到達、または近づいており、グリーン・低炭素・循環型発展の新たなモデル形成を推進しなければならないとされた。こうした内容からうかがえるのは、国のトップは24年ぶりの低水準となるかもしれない目下の成長ペースに対しあまり不安を感じてはいないこと、それどころか「経済発展の新常態に主体的に対応する」ことを強調してさえいるということだ。