日本の安倍晋三首相は、さきごろ衆議院を解散し、12月14日に総選挙を行うと発表した。日本の首相は衆議院で選出され、衆議院議員の任期は4年間だ。前回の選挙は2012年12月に実施されており、次回は16年12月の予定で、今回の選挙は2年前倒しで行われることになる。「証券時報」が伝えた。
内閣制を取る政体では、前倒しで選挙が行われる状況には次の2パターンがある。一つは内閣に信任を得られず、やむなく前倒し選挙で国民に信を問う場合。もう一つは本来の選挙日が近づき、政権与党が自分たちに都合のよい時を選んで前倒し選挙を行い、戦いを有利に進め、政権を担う期間を引き延ばそうとする場合だ。たとえば1980年代に英国のサッチャー大統領(当時)は2回の前倒し選挙を行って勝利を収め、長期政権を可能にした。
だが安倍政権のこのたびの前倒し選挙では、自民党にとって特に好材料というものはない。安倍首相の就任当時は支持率が非常に高く、与党は議会で絶対安定多数を占めており、近年まれにみる安定した内閣となっていた。だが最近発表された調査結果をみると、支持率は就任以来の最低に落ち込み、有権者の3分の1は安倍政権の経済政策は失敗だったと回答した。
日本の第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)の速報値はマイナス1.6%で、市場の予想値の2.1%を大きく下回った。第2四半期(4-6月)のGDP確定値はマイナス7.3%で、速報値のマイナス7.1%より減少幅が拡大した。第2四半期のGDP減少幅が非常に大きかったのは、4月の消費税率引き上げを前に、第1四半期(1-3月)に駆け込み需要が生じたためだ。市場には第3四半期は経済が回復するとの見方が広がっていたが、消費増税の影響が引き続き拡大し、日本経済は2四半期連続のマイナスとなり、統計基準に照らせば衰退といえる状況になった。