より重要な警告は、中国の製造業の基礎をしっかりと固め、資源をめぐるポピュリズムを脱する必要があるということだ。通貨や金融市場の変動が最も激しい国はいずれ資源輸出国であり、過去10年間に一次製品市場の好調さを受けてよい時期を過ごしてきた国ばかりだ。
資源生産エリアの人々にとって、自然資源がもたらす利益を独占しようとの主張には確かに大きな魅力があり、産業革命の発祥地の英国でも、スコットランド独立をめぐる住民投票が行われた時にこれを支持した人の中で最もよく主張されたのは、スコットランドが独立すれば北海の石油の権益を独占できるようになるということだった。だが全体としていえることは、他の条件が同じでも、製造業が駆動する経済成長に比べ、一次製品産業が駆動する経済成長には克服できない一連の弱点がある。経済の波及力の強さ、所得分配のアンバランスと両極化の激化、深刻な資産バブル、社会矛盾の激化などだ。
新興市場は、さらに世界経済全体は現在、10年間続く可能性がある変動と分かれの時を迎えている。当然のことだが、中国は他の多くの新興市場とは異なり、何世代もの人々の奮闘によって世界一の製造業大国になり、世界で唯一、国際連合の国際標準産業分類にあるすべての工業分野を網羅する国になり、昨年の設備製造業の生産額世界全体の3分の1を占める国になり、より持続可能で、より公平性に配慮し、より安定した経済産業システムが備わるようになったという実績がある。こうした卓越した条件を備える中国が、数十年前や百年ほど前の農業・鉱業資源生産国の考え方に戻って問題に対処するわけにはいかない。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月19日