李総理は多くの外交の場面で、中国の高速鉄道や設備製造、「メイドインチャイナ」を売り込み、国際社会で「スーパーセールスマン」の呼び名を得ている。最近話題となっている高速鉄道のほかにも、4G通信や水力発電、風力発電などで中国が持つ技術も、李総理の外遊においてたびたび取り上げられ、多くの契約が締結されてきた。
今回の欧州・アジア歴訪でも、李総理は、中国の鉄鋼やセメント、板ガラス、発電所設備などの設備製造能力の売り込みに尽力した。セルビアで行われた「中国・中東欧経済貿易フォーラム」では、「中国には13億の人口からなる巨大な市場があり、工業とりわけ設備製造業の体系も整っている。中国の鉄道・電力・港湾・化学工業機械などの設備は質が良い上にコストパフォマンスも高い」と語った。
中国現代国際関係研究院世界経済研究所の研究員である陳鳳英氏は次のように指摘する。「かつては『中国は8億着のシャツを売って初めて1機のエアバス380を輸入できる』と言われた。もしもこの『シャツで飛行機を手に入れる』という段階を『1.0』時代と考えれば、李克強総理の今回の売り込みは『2.0』時代のものとみなせる。つまり製造業と大型プロジェクトの海外進出の段階であり、高速鉄道や飛行機などの大型設備の売り込みもこれに含まれる。もしも中国が今後、サービスや金融などでの海外進出を始めれば、『3.0』の段階に入ったものと考えられる」