一般的に、ナローボディ機は300機前後が損益分岐点になるが、C919の場合は500~600機だ。市場の後発組であるC919は、エアバスやボーイングの同タイプ機よりも価格を抑え気味にする必要があり、これはつまり損益分岐点を超えるために機体をより多く売らなければならないことを意味する。
それだけではない。業界のこれまでの経験を振り返ると、市場に参入して順風満帆というほど好調だった新型機はほとんどない。国内大手航空機メーカーのエンジニアは、「ボーイング社の787ドリームライナーは引き渡しが始まってすぐに追い風がぱたりと止んだ。原因は日本が買い入れた2機でリチウムイオン電池が発火する事故が相次いで起きたことにあった。ナローボディ機は引き渡しされると、基本的に毎日10時間以上稼働することになり、テスト時の稼働時間を大幅に超えるため、テスト時にはみられなかった問題が出現しやすくなる、というのがよくみられる状況だ。だが問題は、生まれたばかりのC919が市場の厳しいまなざしを受け止めきれるかという点にある」と話す。この話からわかることは、初飛行の年を迎えたC919は、より多くの問題に直面し、これを解決していかなければならないということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月5日