李克強総理は2015年の中国首脳の初訪問先として、スイスを選んだ。李総理は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席し、スイスを視察する予定だ。中国の首脳が年次総会に出席するのは、これが5年ぶりとなる。李総理の訪問は、世界の中国経済に対する三つの期待に応えることを目的としている。
(一)新常態の中国経済が世界経済成長のエンジンであり続けることへの期待。世界金融危機以降、中国経済は世界の経済成長に最大の貢献を続けてきた。新常態を迎えた中国経済は、世界経済をけん引し続けるだろうか?これは国際社会から広く期待されている。李総理は世界経済の重要な会議であるダボス会議の場を借りて、中国の経済情勢について説明し、中国経済および新興経済体の発展に対する各国の信頼を深め、中国の全面的な改革開放の深化に関する国際社会の認識・理解・支持を促進する。これは特に重要なことだ。
(二)世界経済の発展に関する中国プランへの期待。ユーロ圏の経済がデフレに陥る寸前であり、スイス中銀のフラン上限撤廃がユーロ圏に動揺をもたらしている。ウクライナ危機後、西側諸国の対ロ制裁は世界経済、特に新興経済体の不確定性を高めた。また、世界大口商品価格が急激に下落している。これらは世界経済の回復にどのような影響を及ぼすだろうか?中国は世界経済の回復のために、どのようなプランを提出できるだろうか?李総理は中国の国際情勢、世界経済情勢、および問題解決の道に関する観点を示す。
(三)中国の経済発展がもたらすチャンスの共有への期待。中国の新指導部は就任以来、全面的な改革の深化に関する一連の政策的主張、世界経済、地域経済協力に対する一連の提案を発表している。特に「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略は今年、実施の年になる。国際社会は、中国が各国にどのようなチャンスをもたらすかを理解しようとしている。ダボス会議は知名度が高く、ビジネス界のエリートが集結する。中国はこの場を借りて、世界に中国の政策、経済発展の青写真、対外協力の主張について説明できる。これは世界に、中国の重大な戦略的主張と、策定中の第13次五カ年計画について説明する契機だ。