中国人消費者がディーラーという単一ルートからしか輸入車を購入できない時代が、終わりを告げられた。上海自由貿易区の並行輸入車の試行が15日に始まった。これはグレーゾーンだった並行輸入車が、正式に販売されるようになったことを意味する。新華社が伝えた。
並行輸入車とは、貿易業者が製造メーカーから販売ライセンスを取得せず、海外市場で購入し中国市場で販売する車を指す。国務院弁公庁は2014年11月に発表した「輸入強化に関する若干の意見」の中で、上海自由貿易区に対して率先して並行輸入車の試行を進めるよう求めた。
◆10%割安に
並行輸入車は関税の減免対象にはならないが、ライセンスを取得しているディーラーの「正規車」と比べた場合の最大の長所は、流通サイクルのコスト削減だ。販売業者の手を経るたびに価格が上がることはなく、メーカー側の「最低販売価格」の制限を受けることもない。
上海申迪汽車国際貿易有限公司の営業担当の張迪氏は記者に対して、「国家の独禁法違反への調査が強化され、並行輸入車の試行が間もなく開始されることの影響を受け、海外メーカーは正規車の販促に力を入れている。そのため実際の成約価格は、メーカーの希望価格を下回るようになる。こうして計算すると、並行輸入車は20%も割安にはならないが、10%は安くなる」と述べた。