ただし、この取引は人民元を使ってしか行うことができないため、海外投資家は自然と人民元を使用することとなる。この結果、人民元が世界の主要通貨になっていくのである。
人民元の国際化が進めば、人民元建ての債券を発行する国も増加する。昨年の第3四半期には、海外市場で合計4500億人民元(750億ドル)の人民元建て債券が発行された。またROFII制度を利用して、中国で発行された人民元建て債券に投資することも可能である。人民元及び人民元建て債券は、他の通貨及び他の通貨建て債券と相関性が低いため、ポートフォリオを組む上でも極めて有用な手段といえる。
海外投資が心配な投資家であれば、このような「新中国」に注目すべきであろう。中国はもはや低コストや低価格製品には依存しておらず、先端技術と資本力を武器にして、全世界の国に対して一歩も引けをとらない。さらに中国政府による人民元の国際化政策によって中国の資本市場の影響力も力を増している。「新中国」の潜在力とその世界経済に対する影響力は大いに期待される。(作者:マイケル・リード 、フィデリティ資産運用代表)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月23日
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