中国人客が日本のウォシュレットを買い占めたという報道は、中国人の心を傷つけた。人々は、「技術力が高いように見えない小型家電と家庭用品は、評判の高いメイド・イン・チャイナには作れないものなのだろうか?」という疑問を抱いている。
中国の製造業を数十年間リサーチしてきたコラムニストは、「作らない」、「作りたくない」、「作れない」という3つの原因があるかもしれないと判断した。
ハイテクの国防技術でさえ中国にとっては難しくないにも関わらず、「作りたくない」、「作れない」のはなぜだろうか?この答えは、「特殊市場」によって導き出される。この「特殊市場」は消費者の構成による影響を受ける。中国は「ひょうたん型」の構造で、「中の低」という所得層が最多で、「中の高」がこれに続く。
中国の経営者は市場を見る際に、このひょうたん型構造の最も大きな部分を着眼点とする。ゆえに企業は中国の高級品市場で、定価を高く設定することで高所得層から利益を上げ、これを下回る販売価格のものを中所得層に売り込む。中国人客が買い占める、中国での定価を大きく下回る日本製のウォシュレットは、ある意味「メイド・イン・チャイナの捨て子」と言える。
しかしメイド・イン・チャイナが市場経済に相応しくない障害を取り除くことができるかについて考える際に、高級品消費層の人数が少なくても利益が上げられることを十分に認識するべきだ。しかも海外旅行で爆買するこの消費層から得られるのは、絶対に小さな利益に止まらないはずである。メイド・イン・チャイナは、自国の消費者を取り込むべきだ。これはウォシュレットの買い占め現象が、我々にもたらした新たな選択肢だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月26日