春節(旧正月、今年は2月19日)連休期間には、45万人を超える中国人観光客が日本を旅行し、買い物で60億元(1元は約19.1円)近い金額を消費した。今年はトイレの便座が人気商品だった。浙江省杭州市に住む王さんも日本を訪れ、大阪の電器店に行ったところ、びっくりするものを目にした。パッケージに「メードインチャイナ」とはっきり印字され、杭州市下沙地区で生産された便座を発見したのだ。また遼寧省盤錦市のネットユーザーはスレッドの中で、中国人観光客が買った高価格の高級米「ひとめぼれ」は、どうやら盤錦市から輸出されたものらしいと疑問を投げかけた。同市農村経済委員会によると、確かに受注方式で日本向けに「ひとめぼれ」という名前のコメを栽培しており、生産過程では日本の基準を厳格に遵守しているという。調査してみると、同市の市場で売られている同品種のコメの価格は、中国人観光客が日本で買って持ち帰ったコメの25分の1だった。「北京晨報」が伝えた。
▽メードインチャイナに「ゆでカエル」の懸念
日本の独資企業が中国で便座を生産する場合、適用するのは日本の技術であり日本の基準だ。ここに中国的な要素が含まれているのは確かだが、「世界の工場」に対する説明としては、提供するのはたかだが産業従事者であり、さらに言えば大勢の安価な労働力だということだ。独自の研究開発や技術があり、独自のブランドがあってはじめて、中国の「英知が生み出したもの」になり、中国の創造になり、中国のイノベーションになるのだ。
温水が出るトイレの便座は、メードインチャイナという「カエル」をゆでるお湯のようなものだ。安価な労働力の時代は過去のこと、ルイスの転換点はすでに到来したかまもなく到来し、労働集約型を代表とするメードインチャイナは徐々に強みを失い、中国の製造業は今、「体力勝負から頭脳勝負」への坂道を上っている。メードインチャイナは新たな歴史的段階において活路を見いだし、ボトルネックをうち破り、流れに逆らって上昇し、高みを制することがなければ、まるで「ゆでカエル」のように危ないことになる。