先週末の利下げは予想外だったが情理にかなうものでもあった。経済成長の減速圧力が高まり、デフレ傾向が顕著化しつつある目下、金利や預金準備率の引下げという外因性の通貨緩和策によるヘッジは政策が本来持つべき意義だ。予想外なのはタイミング選びだった。両会期間中は通常政策の真空期間。意思決定層が会期前に利下げを断行したことで経済減速圧力の大きさとデフレ傾向の顕著化が浮き彫りになっている。専門家の多くは、今回の利下げはデフレ抑制に向ける政策出動の幕開けを意味するものであって、今年中に金利はさらに2回引き下げ、預金準備率も多くて5回引き下げる可能性がある」と見ている。
ただインフレという単純な通貨駆動力と異なり、デフレはより複雑な経済現象であり、有効需要不足や通貨供給緊縮といった経済減速圧力の集中的表れである。したがって、金利と預金準備率の引下げ効力でデフレを防止すると同時に、より積極的な財政政策を合わせて出動する必要もある。さらに、中国経済の新常態、中国がさしかかる経済成長転換期ということを考慮すると、デフレ防止には短期的な総量政策と中長期的な調整や改革の同時進行が必要だ。
現在、中国経済の直面する「低成長低インフレ」局面が極めて明らかに現れている。多くの経済データによると、昨年末政府の利下げ出動にも関わらず、今年第一四半期の経済成長率は依然として楽観できない内容だった。発電量、PMI、投資、不動産販売量といった数値のいずれも、第一四半期の経済成長率が慣性的な下振れトレンドを辿っていく見込みだと示している。これらの圧力は価格要素に集中的に反映されている。2月のPPI数値確率は連続36カ月マイナス成長を記録し、その時間幅が1998年、2002年、2009年という3回のデフレ時期におけるマイナス期間を遥かに超えた。統計局のCPI数値はまだ確認されていないが、華泰証券が計算した加重物価指数によると、早く昨年10月にも加重物価指数がマイナス成長だった。同様に民族証券も1月のデータに基づき試算したGDPの縮減指数もマイナスだったという。