米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの予想が強まり、米ドル指数が高位で推移する中、人民元相場は近年稀な高騰を見せた。アナリストは、人民元は米ドル指数の急上昇による試練を乗り越え、今後一定期間に渡り堅調な地合いを維持すると判断している。20日付中国証券報が伝えた。
◆人民元が強気相場入り
北京時間3月19日未明、FRBは3月の金融政策に関する声明を発表した。FRBは市場の予想通り、「金融政策の正常化の回復に対して忍耐強くなるべき」という文言を削除した。同日の米ドル指数は好材料が出尽くしたことで、同声明の発表後に急落し、1日で1.81%(98.80ポイント)下がった。これを背景とし、3月より強気を維持してきた人民元レートは同日、再び高騰した。
中国外匯(外国為替)取引センターが木曜日に発表したデータによると、3月19日の銀行間外国為替市場の人民元対米ドルレート基準値は1米ドル=6.1460元となり、18日の6.1556元から96ベーシスポイントの人民元高となった。これによって、人民元対米ドルレート(基準値)は3営業日連続で上昇し、2月26日以来(約半月ぶり)の高水準となった。
人民元スポットレートは19日、より力強い勢いを示した。同日、米ドルは対人民元で154ベーシスポイント低下して、1米ドル=6.2140元で取引が始まり、その後さらに下落を続けた。取引終了時には0.53%安の1米ドル=6.1961元となり、6.20元を割り込んだ。これにより、同日の人民元レートは対米ドルで1月15日以来(約2カ月ぶり)の高水準となり、伸び幅も2014年3月24日以来の高い数値となった。
この3営業日のスポットレートを見ると、米ドル指数が100ポイント前後の高位で推移する中、人民元対米ドルスポットレートは今週火曜日より663ベーシスポイント上昇(1.07%高)しており、近年稀な強気相場となっていることが分かる。