コールバッハ―教授は、「これはリアルなビジネスチャンスだ。2050年は遥か先にあると思われるかも知れないが、直ちに重視しなくてはならない問題である。残念ながら、多くの企業はそれを十分に認識していないようだ」と指摘し、さらに「意識はなかなか強要できない。一部の経営陣はそのトレンドを応用化する上でボトルネックに遭っているが、人口統計資料は実際の仕事を予想できるものだ」と話した。
高齢化問題は商業にも影響を及ぼすことになる。先ずは労働力の高齢化問題。中国では、女性は通常55歳、男性は60歳で定年退職を迎えるため、企業は経験と知識のある大勢の従業員を失いつつある現状にある。次に中国人の平均寿命は現在76歳だが、このことは健康な晩年がますます現実味を帯び、シルバー市場の持つ巨大な商品とサービスに対するニーズが一層高まる可能性があることを意味するものだ。そして、既存の商品と新製品の研究開発はそのようなニーズを満たすことができる。コールバッハ―教授は、「観光業は重要な例の1つだ。それら高齢者たちは若い頃にできなかったことができるようになるからだ」と話す。
医薬品、養老院(老人ホーム)、介護サービスもまた著しいマーケットである。コールバッハ―教授は、「中国の高齢者は消費する金を持っている。彼らには財産を子孫に残す慣習があるが、一人っ子政策はその状況を一変させた。彼らは現在自分のことをより多く考えるようになっている」と指摘し、「このことは中国の事情がいささか特別だということを意味する。我々にとってみれば、それはまるで高齢化社会を研究する実験室のようだ」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月31日