イギリス紙「フィナンシャル・タイムズ」傘下の研究組織「チャイナ・コンフィデンシャル」の概算によると、昨年の中国人による国外消費総額は3兆1000億元だった。
中国人の国外消費額とポテンシャルは依然として巨大ではあるものの、多くの観光客が消費ポイントを変えてきていることから、海外での消費が減少に転じている。「チャイナ・コンフィデンシャル」が先ごろ発表した最新国外旅行年報のデータによれば、海外旅行する中国人の平均消費金額は2013年から2014年にかけて9.4%減少した。2015年も前年比6.2%の減少となった。そのうち、ショッピングにかける消費額の減少幅が最も大きく、8%のマイナスだった。年収が35万元以上の家庭に限ればさらに減少幅が大きく、34.4%のマイナスとなっている。
ショッピング消費の減少は、国内状況とある程度関連性がある。マクロ経済の減速は、海外旅行客の消費を抑える役割を果たしている他、中国政府による反腐敗運動がお土産を買う行為を減少させていると捉えることができる。
ただし、消費の減少をマクロ経済や政策といった要素のみでとらえるのは間違いだ。ショッピング消費の減少は、中国人旅行客の消費ポイントが大きく変化していることを示すものでもある。豊かな旅行客は買い物よりも「貴重な体験」をより重視するようになっている。高収入の旅行客は娯楽関連の消費を前年比で31.1%増加させており、タクシーや行楽の費用など、それ以外のサービス消費も78.6%増加させている。ショッピングに関しても、たとえブランドの知名度が低くてもリーズナブルな価格のものを求めるようになっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月3日