モスクワ〜カザン高速鉄道を始めとする中露高速鉄道業務提携は、中国製高速鉄道の海外進出の重要な節目だ。鉄道車両メーカー大手・中国北車の関係者は、「中国南車と中国北車は全世界の各国にさまざまな型番・時速の客車・貨車およびその他の車両を輸出しているが、時速250キロ以上の高速列車の輸出というゼロからの突破を実現していなかった。この突破は、モスクワ〜カザン高速鉄道で実現される可能性がある。同鉄道が竣工すれば、中国北車が開発・製造し、中国の哈大高速鉄道(ハルビン〜大連)で長年に渡り運行されている高冷地仕様高速列車が調達される可能性がある」と話した。
中国工程院院士、中国中鉄隧道集団有限公司副チーフエンジニアの王夢恕氏は、「中国は高速鉄道インフラ整備で、世界のどの国も持たない施工経験を持つ。中国は国土面積が広く、北は高冷地、南は高湿度の熱帯、西は新疆・甘粛の黄砂地帯、東は水分を多く含む土壌の地帯となっている。中国の高速鉄道の橋・トンネルの密度の高さは、他国の高速鉄道には及びもつかないほどだ。中国の現在の高速鉄道施工技術およびチームは、いかなる地形の気候および施工条件にも対応できると言える」と指摘した。