「外資の撤退ブームはこれまでなかったし、今後もあり得ない。中国は資本の純輸出国になったが、中国の外資に対する需要は変わっていない。ただその方向性に変化が生じているだけである」(商務部研究院の邢厚媛副院長)シチズンが広州工場を閉鎖、パナソニックが中国のテレビ生産から撤退、マイクロソフトが旧ノキアの生産ラインを停止―――。
今年に入って一部の外資が中国から撤退していることに関して、「撤退ブーム」が起きているという論調がある。外資は本当に撤退しているのであろうか。商務部の沈丹陽報道官は「外資は流入もすれば流出もするものだ。総体的に見て流入は流出を上回っており、昨年の中国への外資流入額は初めて世界第1位となった。外資が撤退しているかどうかは、まずは事実を見ることである」と指摘した上で、いくつかのデータを示した。
◇新規設立件数:
2015年1~3月期の外商投資企業の設立件数は前年同期比22.4%増の5861社。実際に利用されている外貨は11.3%増の348億8000万ドルに増加。◇サービス業への投資:外資のサービス業に対する投資の割合は、2014年に55.4%まで上昇。製造業に対する割合を22ポイント上回った。◇規模の集中化:2014年の新設企業1社あたりの平均外貨利用額(契約ベース)は前年比13.9%増に拡大。◇地域の広がり:中西部地域の2014年の外貨利用シェアが18.1%と前年比0.5ポイント上昇。