AIIBの資本金は1000億ドルだが、優待貸付や手形割引などを利用すれば、少なくとも数兆ドル規模の投資プロジェクトを動かせる。また創設メンバー国はすでに57カ国に達している。日本が中国と張り合おうとすれば、大きな集団を敵に回すことになる。日本の高圧的な態度が損ねるのは、中国の利益ばかりではない。
安倍政権は近頃、偏執狂のように中国と競争しており、日本には中国の台頭を防ぐ能力があるといった幻想を作り出そうとしている。これは日本に対して、資源・心理の持続的な疲弊をもたらす。中国のGDPが10年内に日本の3倍以上に達するなど、中日の実力差は広がっていくばかりだ。
中国が日本との競争に注意を向けることはなく、日本を相手にし消耗戦に陥ることもない。中国には「私にはやることがあるので、あなたもお好きにどうぞ」という言葉がある。我々は日本や米国を相手取りAIIBを創設するわけではない。これは中国自身およびアジアの需要に基づく、流れに合った自然な措置であるため、順調に進んでいる。日本が中国と対抗するために1000億ドルを拠出するならば、その結果は完全に異なる。