「経済成長率が高いほど新しい就職先が増えてくるという考え方はこれまでの経済情勢に合ったものだ。なぜなら当時の中国経済は比較的低いレベルで運営されていたからだ。しかし今は状況が大きく変わった。中国は、技術進歩と産業のグレードアップというプロセスの中で経済成長を維持している。そのため、雇用問題はもはや大量の投資で解決できるものではなくなった」と経済学者厲以寧氏は最近雇用について分析している。大量のフィールドリサーチに基づいて、厲以寧氏は「中国の民間に多くの潜在的起業者が潜んでおり、これは雇用問題の軽減における一大プラス要因となっている」と指摘している。
実際、中国指導部は起業者の順調な「船出」に環境を整えようと知恵を絞っている。先日開かれた国務院常務会議では、農民出稼ぎ労働者、大学生、退役兵士といった人々による郷里Uターン起業を支援する5大措置が打ち出されている。例えば、起業場所登録手続きの簡素化、起業に必要な担保融資に対する政府の利子補助、中・小・零細企業集合債券発行の摸索、電子商取引プラットフォームの発展促進、Uターン起業者に対する公共サービスによる支援の強化などがある。
「多くの農民労働者が長年の出稼ぎ生活を通して一定の資金を蓄積し、見識も増えたことで、郷里に戻って起業する能力が具わるようになった。その人たちが田舎で起業しやすいために、手続きの簡素化を図り束縛を軽減し、彼らが安心かつ大胆に起業できる条件を整えて行く必要がある」と、中国社会科学院農業発展研究所の李国祥研究員が話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年6月15日