香港上海銀行(HSBC)が22日に発表したレポートによると、6月の「中国融資条件指数」は引き続き改善し、予想を超えた強い貸出データをも考慮すると、中国の融資条件の安定化傾向が強まっていることがわかる。ただ回復する力がなお弱く、さらなる金融・財政政策による下支えは必要だ。
HSBCの分析によると、6月の中国融資条件が改善された主な要因はマネーサプライの増加と実質金利の低下にある。これはこのほどの金利・預金準備率引下げがすでに効果を発揮し、下半期の経済成長を力強く支えることができることを意味している。しかし、人民元実質実効為替レートは前年同期比16.0%増、先月より小幅に上昇し、依然として高い水準に位置しているため、引続き融資条件指数の足かせになる可能性がある。
時系列で見ると、HSBCが算出した中国融資条件指数は5月に底を打って回復に向かっているが、実体経済を3カ月ほど先取りするというデータの一般性質を考慮すると、中国経済は2015年第3四半期に一層明らかな改善が見られることになる、とHSBCが予想している。