◆金利の市場化改革へ一歩前進
人民銀は、期間1年を上回る定期預金を対象に、預金金利の上限規制を撤廃。金利の市場化改革に向け重要な一歩を踏み出した。
現時点で、預金以外の金利に関する規制は全面的に廃止されており、預金金利の上限は基準金利の1.5倍まで拡大されている。法人・個人向け譲渡性預金(CD)の正式導入、市場金利の自由化に向け、人民銀は金利調整能力を徐々に強化している。加えて預金保険制度の導入により、金利の市場化改革推進に向けた条件はさらに整っている。同時に、中国の物価水準は総じて低水準にあり、銀行システムの流動性は全体に余裕がある。市場金利の上昇圧力が相対的に低いことも踏まえると、金利の市場化改革に向け、マクロ環境や時機などの条件は比較的整っているといえる。
人民銀幹部は、金利決定に関する金融機関の自由度が高まれば、金融機関自身の価格決定能力向上や経営スタイルの転換、サービス水準向上につながるだけでなく、金利が市場の需給関係をより正しく反映し、市場の決定的な役割を充分に発揮させるうえでもプラスに働くと指摘した。
また、1年以下の定期預金や普通預金の金利の上限を引き続き基準金利の1.5倍で据え置いたことについては、「先ずは長期を手始めに、順次改革を進める」という考え方に基づくものだとし、国際的慣例にも沿うものだと説明した。
国際的見地からみると、金利の市場化改革を順次進めていくことは、金融機関自身の価格決定能力を鍛え、金利の全面的な市場化実現の基盤固めにつながる。また、預金に関する金融機関の支払金利や資金調達コスト全体の安定にプラスとなり、社会の資金調達コスト低下を促すとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月26日