資本市場についていえば、中国の株式市場は個人投資家が主体となった市場であり、非理性的ムードが無計画に広がりやすい。改革開放から30数年が経ち、中国経済は急速に飛躍したが、株式市場にはこのことが十分に反映されていない。この間、株式市場は大幅に値下がりしたが、これは市場の整備の不十分さとムードに流された結果であり、中国経済の基本的側面に根本的な変化を生じたわけではない。中国は事態を冷静に見つめ、株式市場が変動しているから中国経済の基本的側面に大きな問題あると判断してはならない。また西側の一部国家の経験を踏まえて今回の下落が金融システムの大きな問題につながると判断してはならない。中国資本市場は目下、完全に開放された市場ではなく、国際資本市場との関連性も弱い。こうした状況の中で、中国資本市場の変動が国際資本市場に打撃を与えるとする見方は、おそらく成り立たない。
どのような要因が世界市場の変動を引き起こすのだろうか。根本を考えれば、真の原因は米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げ観測の高まりによる打撃、グローバル経済の回復プロセスにおける不確定性が引き起こした懸念にある。国際金融危機の発生後、発達したエコノミーは主に量的緩和で事態の悪化を回避しようとした。こうしたやり方はデレバレッジのプロセスを遅らせ、回復プロセスの進度をバラバラにし紆余曲折を繰り返させることになった。FRBの金利引き上げの見方が広がったため、相場には大きな動揺が広がった。資料によると、金利引き上げの観測が高まったため、今年第2四半期(4-6月)だけで1200億ドル(1ドルは約120.1円)の資金が新興市場から逃げ出し、新興市場の通貨は米ドルに対し相次いで値下がりした。