中国中車股フン有限公司が米国・マサチューセッツ州で建設する生産拠点は3日、着工式が行われた。同拠点で製造される地下鉄車両・機関車は、厳しい技術基準が設けられている米国市場に投入される見通し。中国の軌道交通設備メーカーが先進国で投資し、工場を建設するのはこれが初めてで、地下鉄車両・機関車の米国進出も国内初となる。
激しい入札競争を経て、中国中車は2014年末に、マサチューセッツ州政府によるボストン地下鉄の車両調達で受注。レッドライン、オレンジラインの2路線で、受注車両はあわせて284両に上る。レッドラインとオレンジラインはボストンの金融街や、ハーバード大学などを経由。1日あたりの利用者数は延べ130万人に達する。一方、現役の車両はすでに数十年間運行されているため、老朽化が進んでいる状況だ。
今回の案件はマサチューセッツ州の政府調達プロジェクト。米国製品の優先使用を義務づける「バイ・アメリカン条項」に基づき、政府調達プロジェクトでは60%の部品が米国内で製造しなければならない。このため、中国中車がマサチューセッツ州で車両の製造・組み立て工場を建設する必要がある。工場の投資額は約6000万米ドルになる見通し。現地で約150人の雇用が生まれる。工場は2018年から稼働し、2023年までに受注車両の納品が完了する予定。