とはいうものの起業とは決して平たんな道のりではない。世界に認められるブランドを作るために海外にも目を向ける必要もあり、多くの時間を要する。
今回大賞を得た諾尔神経電子科技の李楚CEOは「当社が開発した人工蝸牛(内耳の感覚器官)の製品レベルは輸入品と同等でありながら価格は3分の1である。しかし販売という点になるとそう簡単ではない。消費者の海外ブランドに対する『信仰』が根強く、品質がよく価格が安くても、ただそれだけでは買ってもらえない」と話す。 しかし李氏はこうした状況を打ち破れるとの自信を持っている。「当社の人工蝸牛の特徴は中国語の『四声』を聞き分けられるように作られていることだ。これが輸入品と比べて大きな優位点である。消費者の認知を得るのに時間がかかるかもしれないが、着実に伸びていくことは間違いない」という。
「起業をみんなの力で」。李克強総理の政府活動報告でたびたび用いられたこの言葉が、理念から現実に変わろうとしている。中国経済をリードする起業家が次々と誕生しているのである。中国経済はすでに「新常態」に移行しており、経済を見る視点は量から質へと変化している。起業の重要性が今後も高まることは疑うべきもないだろう。中国経済の新たな成長はこれらの新興企業の成長いかんにかかっているともいえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月17日