米ニュース専門放送局CNBC(電子版)は14日、「米国が自己喪失感に陥る、英国は中国に接近」(UK courts China as US suffers 'identity crisis')を表題とする記事を掲載した。「中国の習近平・主席は外国訪問先としてまずは米国を選んだものの、来週から始まる英国訪問はより一層調和的で実りのある旅になるだろうとの見方を示している。
欧州の国々はいま、競い合うように貿易や投資面で中国との関係強化に乗り出している。とりわけ、中国が海外投資家への金融市場の開放や、人民元国際化を推進するなか、足元で欧州諸国が中国に接近する動きがさらに強まっている。なかでも、先頭を走るのは、国際金融センターと称される英国だ。英国に本拠を置くスタンダード・チャータード銀行の欧州CEO(最高経営責任者)を務めるリチャード・ホルムズ氏はCNBCに対し、「欧州のほかの国にとっても中国は非常に大事だが、人民元オフショア取引センターがロンドンからフランクフルトやパリに移るとは思っていない」と語った。G7(先進7カ国)のなかで、英国が最初に中国と通貨スワップ協定を締結。14年には英財務省が人民元建て国債を発行した。中国政府以外で元建て国債の発行は英国が世界初。また、ロンドンで中国政府による海外初の人民元建て国債も発行される見込み。