失速する製造業
「メイドイン上海」はかつて輝かしい歴史があった。1960年代から1970年代にかけて、上海ブランドの腕時計や永久ブランドの自転車、胡蝶ブランドのミシンが、最高級たる「メイドイン上海」を代表し、当時の青年男女が結婚するときの「三種の神器」だった。今日、これら馴染みのブランドはすでに歴史となった。現在の上海は、上海汽車や宝山製鉄、上海石化の三大ブランドが残るのみである。
同様の歴史は北京でも生じている。牡丹ブランドのテレビ、雪花ブランドの冷蔵庫など様々な工業品ブランドがとっくの昔に消えている。 ブランドが消えていく背後には、失速する工業経済がある。
上海証券報の記者が統計局のデータを分析したところによると、この2年で北京と上海の工業増加値増加率が全国平均を下回っており、月別でみるとマイナス成長の月もある。 北京と上海の工業が失速した原因はなにか。アナリストによれば、1つは伝統産業が生産能力を向上させたこと、もう1つは新技術産業が高度発展しているものの、屋台骨を支えるほどにはなっていないことを挙げる。