中国証券監督管理委員会(証監会)は7日夜に情報を発表し、3大取引所(上海証券取引所・深セン証券取引所・中国金融先物取引所)が8日より、値幅制限制度「サーキットブレーカー」の実施を当面見合わせることを裏付けた。3大取引所の公式サイトは、同決定を同時に発表した。
証監会はサーキットブレーカーを導入した主な理由について、▽市場に「冷静な期間」を与え、急激な変動を受けた軽率な判断を回避・減少させることで、投資家(特に中小の投資家)の合法的な権益を保護する▽秩序化された取引の変動促進効果を抑えるため▽技術面・操作面のリスクに対応する緊急対処時間を設けるため――と説明した。サーキットブレーカーは株価暴落の主因ではないが、最近の同制度の状況を見ると、予想されていた効果は得られなかった。同制度にはまた、ある種の「マグネット効果」がある。これはサーキットブレーカーの下限に近づいた際に、投資家が事前に売りに走ることで、下限まで株価を急落させることだ。利害損失を考えると、現在は悪影響の方が積極的な効果を上回っている。そこで証監会は、市場の安定を維持するため、サーキットブレーカーの実施を当面見合わせることを決定した。
証監会は、今後この経験と教訓を真剣に総括し、関係者を集め改善策を講じ、広く意見を求めることで、関連制度の改善を続けていくとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月8日