中国のインターネット企業は、一般的なスマートフォンをキャッシュレスでの取引や銀行振替、融資、投資ができるプラットフォームに変身させた。米ウォールストリートジャーナルが昨年末に報じた。
「フィンテック(FinTech)」とは金融(ファイナンス)とIT(情報技術)を融合させた造語。中国での利用範囲は米国で一般的に見られるレベルをはるかに超越している。中国ではクレジットカードを使わず、ファンドの購入やレストランでの割り勘、タクシーから宅配・テイクアウトに至るさまざまなサービスの決済を、全てスマホアプリで処理する人が増えている。
昨年は、中国の全人口の4分の1近くがオンライン決済を利用したが、これは米国の総人口よりも多い。調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、2015年の中国におけるモバイル決済総額は2130億米ドルに上り、米国の1635億米ドルを上回る見通し。中国の電子決済サービス最大手はアリババグループ傘下の「支付宝」(アリペイ)で、ユーザー数は4億人に上る。