人民元の対ドルレートの値下がりが市場関係者の関心を集めている。中国人民銀行研究局の馬駿チーフエコノミストはこのほど、人民元のレート形成メカニズムに関連して次のように答えた。
問:レート形成メカニズムに関して市場ではさまざまな見方が出ている。対ドルレートに対して基本的には安定しているとか、バスケット通貨を参考しているとか、完全変動相場制に移行したとかである。どう見たらいいか?
答:ドルペッグの時代はすでに終わった。しかし完全変動相場制になったわけではない。バスケット通貨を参考にし、基本的にこれに連動したレート形成を図るのが、今後のレートメカニズムの考え方である。
人民元をバスケット通貨に連動させることによって、市場ではバスケット通貨を安定させる人民元の対ドルレートが期待値となるほか、マーケットメーカーは基準値(中間値)の報告の際にバスケットを重視し、中央銀行(人民銀行)は為替調整においてバスケットの安定を図ることになる。
これらの結果、人民元はバスケット通貨に対してより安定する。その一方で人民元の対ドルレートは上下に大きく変動することになる。言い方を変えれば、バスケット通貨を参考にするメカニズムにおいては、対ドルレートがどちらか一方に動くことない、ということだ。