ベトナム政府は国有企業改革の一環として、ベトナム航空への出資と業務提携パートナーをかねてより求めていた。同航空は2014年11月に株式市場に上場したが、資本市場ではまだ単体での海外の戦略的投資家を呼び込めていなかった。
分析によると、ベトナム政府とアジアでの発展に力を入れるANAとは思惑が一致したのだという。ただ共同運行やマイレージでの協力には、両社がそれぞれ加盟する航空アライアンスのメンバーの同意を得る必要がある。
関係者の説明によると、15年12月末現在、ベトナム航空の保有機材は87機、運航路線は国際線が29路線、国内線が21路線に上り、日本では成田、中部、関西、福岡の各空港に就航する。ベトナム航空は日本航空(JAL)とコードシェア便を運航しており、ANAの出資受け入れ後はJALとの協力関係を見直すことが予想されるという。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の報道によると、ANAグループはここ数年、アジア市場での配置を加速させており、韓国、ミャンマー、インドネシアなどの国営航空会社との協力を模索し、アジア市場でのシェア拡大を目指してきた。