【2】中国政府にはシステマティック・リスクをコントロールできる手段がある。
中国の不動産市場についてフィガロ紙は、戸籍改革が実施されれば、数百万の農村世帯が中小都市に流入するため、不動産市場のリスクは低減するとの見方を示した。仏信用保険大手コファスのエコノミストは、「中国政府は適時に対処可能で、必要に応じて銀行システムに流動性を注入できる」と指摘した。コファスが中国に「A4」という高い信用格付を付与していることも、中国経済の「リスクはコントロール可能」ということを示している。
【3】中国経済のモデル転換が安定的に進んでいるうえ、経済構造も徐々に合理化しつつある。
フィガロ紙は、◇2015年の中国の映画興業収入前年比50%増、◇旅行支出2700億米ドル、◇GDP全体に占めるサービス業の比率が48.1%と工業の42.7%を上回る――などの例を挙げ、中国経済のリバランスは順調に進んでいると分析した。