中国人民銀行(中央銀行)は16日、2016年1月の金融統計を発表した。データから中国の経済活動で3つのポジティブなシグナルが見て取れる。第1は、住宅在庫の解消政策が奏功していること、第2は企業の投資需要が回復し始めていること、第3は資金調達チャネルが強化されたことだ。
「証券日報」の取材によると、中国人民銀行が発表した2016年1月末時点のマネーサプライM2は、前年同月末比14.0%増の141兆6300億元に上った。伸び率は前月を0.7ポイント、前年同月を3.2ポイントそれぞれ上回った。M1は18.6%増の41兆2700億元。伸び率は前月を3.4ポイント、前年同月を8.1ポイント上回った。M0は15.1%増の7兆2500億元。1月の現金純供給量は9310億元。1月の新規人民元建て貸出は2兆5100億元で、前年同月を1兆400億元上回った。
HSBC中国担当チーフエコノミストの屈宏斌氏は、不動産販売の回復や、為替レートの変動を背景とした企業向け人民元建て融資の増加などが、個人・法人向け中長期貸出の増加につながったと分析する。
アナリストは、企業向け中長期貸出が1月の新規貸出に占める比率は41.7%に達しており、これは企業の投資需要が回復しつつあることを示すと指摘。個人向け中長期貸出の増加については、住宅在庫の解消政策が奏功したためだと分析する。昨年は一連の不動産需要刺激策が打ち出されたが、なかでも住宅在庫の解消が正式に提起されたことで、一部の潜在的な住宅購入需要が喚起された。