全国人民代表大会代表でマカオ帰国華僑総会会長を務める劉藝良氏はこのほど、記者の取材を受け、「十三五」(第13次5カ年計画、2016-2020)期間中、マカオは、一連の新たな経済成長分野の形成を迎えることになると語った。マカオは「走出去」(海外進出)の分野でも力を発揮する余地を持っており、こうしたチャンスをつかむにはまず、国家「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略を背景としたマカオの位置付けと機能とを明確化する必要がある。
昨年4月に発足した中国(広東)自由貿易試験区は、広州南沙新区エリアと深セン前海蛇口エリア、珠海横琴新区エリアからなる。このうち横琴エリアの主要な位置付けは、マカオとの協力にある。劉氏はこの位置付けについて、マカオと大陸部との地域協力のさらなる深化を後押しすると同時に、マカオ経済の適度な多元化発展の実現にも寄与することとなると指摘した。「広東・マカオの協力においては、珠海とマカオの協力がより重要でより直接的なものと言える。だからこそ珠海とマカオは、インフラ建設や出入境管理、環境保護、経済、文化など多岐にわたる多くの協力グループを設立してきた。横琴新区の発展と広東・マカオによる横琴の共同開発の進展に伴い、広東・マカオの協力をより緊密なものとする横琴のモデル区としての役割はますます高まっている。横琴における広東・マカオの協力では、起工式が行われたばかりの協力産業パークのほか、両地の政府が共同で設立した中医薬産業パークがある」
マカオには昨年12月、85平方キロメートルの法定管理水域が与えられた。マカオの発展を長期にわたって阻んできた土地不足という難題の解決をはかり、「世界観光レジャーセンター」と「中国ポルトガル語系諸国商業貿易協力サービスプラットフォーム」のマカオによる積極的な建設に新たな原動力を与える措置である。劉氏はこれについて、「中央は最近、85平方キロメートルの水域をマカオ特区政府の管轄下とした。マカオにとっては、経済発展の適度な多元化を後押しすると同時に、安全管理や海洋経済発展など水域発展空間のさらなる活用を可能とする措置となった。例えばマカオと広東の一部都市が進めているボートによる自由旅行での協力では現在、中山市とはすでに合意が達成され、南沙とは交渉段階にある」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月10日