「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)が後半日程に入っても、習近平主席を取り巻く地方の代表団は休みなく活動している。習近平主席は、上海市、黒龍江省、湖南省、青海省などの代表団の発言に耳を傾けるとともに、自身の意見や見方を提示する。習主席の発言では、「緑水青山」の建設、「脱貧攻堅」への注力、「深化改革」の堅持が特に注目されている。
この3つのキーワードは、中国の 「十三五(第13次五カ年計画:2016-2020年)」計画での3つの主要課題だと言える。3つのキーワードは、向こう5年間の中国の発展の道を照らす3つの知恵の灯でもある。
「緑水青山」は「生態文明」のイメージワードだ。習主席は「緑水青山」を繰り返し強調し、「十三五」計画期間に中国をより美しい国にするという重要課題を我々に提示してくれている。習主席は3月10日の青海省代表団の審議の席で、大局的に長い目で全体を見渡すことが必要で、国の省エネ省資源、環境保護の方針を堅持しつつ、グリーンな発展と生活スタイルの形成を推進する必要があると強調した。これは「十三五」計画期で必ず行うべきことだと指摘。生態文明は中国の発展の要であり、健全な中国、幸福な中国、美しい中国を確かなものとする鍵だと強調した。
「脱貧攻堅」。小康社会の全面的建設には、貧困対策がカギとなる。貧困からの脱却が確実にできれば、中国はより大きな成長基盤と発展のチャンスを確保し、持続可能な発展が可能となる。習主席は、貧困脱却には思い切った対策を講じる必要があり、貧困の原因に照準を絞り、狙い撃ちすべきとしている。また、教育による貧困脱却、貧困対策の効果の持続性も重視すべきと述べた。これが貧困層支援活動に欠けている部分だと急所を指摘した。