「両会」の会議で発言する全国政治協商会議の委員
中国自動車メーカー・奇瑞の最新型車は3月10日、チリの首都・サンティアゴで発売された。中国の自主ブランド車が海外で先行発売されるのはこれが初めて。チリは「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の重要な沿線国。奇瑞の今回の試みは、海外進出で攻勢を強める「中国製造」(メード・イン・チャイナ)の姿を映し出す美しい縮図とも言える。
今年の政府活動報告には、「装備、技術、基準、サービスの海外進出を推進し、中国製造(メード・イン・チャイナ)というブランドを確立させる」ことが盛り込まれている。「両会」(全国人民代表大会、全国政治協商会議)に参加している代表・委員らはこれについて討論し、それぞれの見解を述べた。
「中国製造の海外進出を拡大させるには、内外の両面からアプローチしなければならない--」。全国政治協商会議の馬培華委員は、製造業のレベル向上、品質の改善、信頼構築を図ると同時に、海外ハイレベル製造業との協力を一層深める必要があると指摘。「中国の製造業が今日の発展を成し遂げたのは、技術などを導入、消化、吸収し、そして再創造することが大きな役割を果たしてきた。これからは、海外ハイレベルの製造業との協力をさらに拡大する必要がある。協力の強化を図りやすい環境を築き、製造業の流出を防がなければならない」との見方を示した。