米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は北京時間の3月17日未明、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25~0.50%に据え置くと発表した。海外経済や金融状況の動向が依然として米国経済のリスク要因になっていると指摘するとともに、今後は引き続きインフレ水準を注視するとしている。
民生証券研究員マクロ研究員の張瑜氏は『証券日報』の取材に対し、「米FRBが追加利上げを見送ったことは市場の事前予想と一致している。FRBが公表した金利見通しや、イエレン議長の発言も総じてハト派的だったと市場では受け止められており、米ドル高は一服する公算が大きい。これを受け、中国の外国為替資金残高や外貨準備の低下が減速すると見られ、加えて米利上げペースも鈍化することから、人民元為替レートは短期的に落ち着くだろう。国内の金融緩和を制約する要因が一部解消され、経済運営で政策の自由度が拡大する」と分析している。
イエレン議長は会見で、「コアインフレ率の上昇が持続するかどうか、引き続き見極める必要がある」と述べた。ただ、エネルギー価格の下落など一時的な物価押し下げ要因の後退や、雇用状況の更なる改善にともない、インフレ率は向こう2~3年で目標の2%に回復するとの見方を示した。
FRBは最新の四半期経済予測で、16年末時点のFF金利誘導目標は0.9%に上昇するとの見通しを明らかにした。年内2度の利上げが見込まれていることを示している。一方、昨年12月時点では、FRB当局者は今年中に4度の利上げが実施されると予想していた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月18日